• 2025年3月2日

膝が赤くなる理由を解明!痛みなしの場合の原因と対処法

膝の赤みは、痛みがなくても注意が必要です。痛みを伴わない赤みは、軽度の疾患のサインである可能性があります。この記事では、膝が赤くなる理由と痛みがない場合の原因と対処法について解説します。

症状を放置すると、感染症や基礎疾患の悪化、症状の慢性化といったリスクが生じる可能性があります。早めに対策を講じることで、健康な膝を維持することができます。

痛みなしで膝が赤くなる原因4選

痛みなしで膝が赤くなる主な原因は、以下の4つです。

  • 血行不良による赤み
  • 皮膚の炎症による赤み
  • アレルギー反応による赤み
  • 軽度の打撲や摩擦による赤み

原因に応じた対処法を知ることで、安心して日常生活を送ることができます。

血行不良による赤み

血行不良が原因で膝が赤くなることがあります。血液の循環が悪くなると、膝周辺の皮膚に酸素や栄養が十分に届かず、皮膚が赤く見えるようになります。長時間同じ姿勢でいる、足を組む癖がある人は、血行不良を起こしやすいため注意が必要です。血行不良による膝の赤みには、以下の特徴があります。

  • 膝全体がぼんやりと赤くなる
  • 腫れや熱感はあまりない
  • 押すと赤みが薄くなる
  • マッサージで改善することがある

何かしらの症状が見られる場合は、血行を良くするための対策をしましょう。効果的な方法は、以下のとおりです。

  • 軽い運動やストレッチをする
  • マッサージする
  • 温かいタオルで膝を温める
  • 入浴は、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かる

デスクワークや長時間の運転など、現代の生活習慣は血行不良を招きやすいです。日常生活の中で意識的に体を動かし、血行を促進することが大切です。

皮膚の炎症による赤み

皮膚の炎症は、痛みがない膝の赤みの原因の一つです。接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、乾癬(かんせん)などの皮膚疾患が原因となる場合があります。接触性皮膚炎の原因となる可能性のある物質には、衣類やアクセサリーの金属、化粧品や洗剤などがあります。

アトピー性皮膚炎の場合、皮膚のバリア機能が低下し、敏感に反応します。乾癬は皮膚細胞の過剰増殖による慢性炎症性疾患です。皮膚の炎症による膝の赤みには、以下の特徴があります。

  • かゆみを伴うことが多い
  • 皮膚が乾燥または湿潤している
  • ぶつぶつや水ぶくれができる場合がある
  • 膝以外の部位にも症状が現れることがある

炎症を抑える対処法として、市販の抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を使用したり、皮膚科での適切な治療を受けたりすることをおすすめします。自己判断で薬を使用せず、医師の指示に従うことが重要です。症状が長引く場合や悪化した場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

アレルギー反応による赤み

アレルギー反応も、膝の赤みの原因となることがあります。特定の食べ物や薬、植物などに触れたり摂取したりすることで、アレルギー反応が引き起こされる可能性があります。アレルギー反応による症状の特徴は、以下のとおりです。

  • 赤みだけでなく、かゆみや腫れを伴う
  • じんましんが現れることがある
  • アレルゲンとの接触後に症状が出現する

アレルギー反応は、免疫システムが特定の物質を異物として認識し、過剰に反応することで起こります。特定の食品摂取後や植物との接触後に症状が現れる場合は、アレルギー反応を疑う必要があります。アレルギーが原因だと疑われる場合は、以下の対策が重要です。

  • アレルゲンを特定し、接触を避ける
  • 症状がひどい場合はアレルギー科を受診する
  • 医師の指示に従い、適切な治療を受ける

アレルギー反応の症状が重篤な場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

軽度の打撲や摩擦による赤み

軽度の打撲や摩擦も、痛みがない膝の赤みの原因です。膝を軽くぶつけたり、衣服との摩擦が繰り返されたりすることで、皮膚が刺激され赤くなることがあります。軽度の打撲や摩擦による膝の赤みには、以下の特徴があります。

  • 赤みが限局的で周囲に広がらない
  • 腫れや熱感がほとんどない
  • 数日で自然に治まることが多い

同じ場所に繰り返し摩擦が生じる場合は、慢性的な炎症を起こし、赤みが長引くこともあります。摩擦を繰り返す場合の対処法は、以下のとおりです。

  • 患部を清潔に保つ
  • 刺激を与えないようにする
  • 冷却や保湿ケアを行う

日常生活での注意点として、タイトなズボンやストッキングなど、膝に摩擦が生じやすい衣服の着用には気をつけましょう。症状が長引く場合は、医療機関を受診しましょう。

痛みがない膝の赤みへの対処法5選

痛みがない膝の赤みへの対処法として、以下の5つをご紹介します。

  • 冷却で炎症を抑える
  • 保湿で乾燥を防ぐ
  • 摩擦に注意する
  • 症状に合った市販薬を使用する
  • 症状が続く場合は専門医を受診する

冷却で炎症を抑える

膝の赤みが熱を持っている、または広がっているように感じる場合は、炎症が起きている可能性があります。炎症反応初期では、痛みを感じないケースもあります。まだ炎症物質が神経を刺激するほど蓄積していないため、冷却で炎症を抑えるのが効果的です。冷却の効果は、以下のとおりです。

  • 炎症の進行を抑える
  • 赤みや熱感を和らげる
  • 血行を促進する
  • うっ滞した血液の流れを改善する

冷却の手順は、以下のとおりです。

  1. 保冷剤や氷水をビニール袋に入れる
  2. タオルで包む
  3. 膝に当てる
  4. 1回15~20分程度、1日数回繰り返す

凍傷を防ぐため、必ずタオルなどで包んで使用してください。冷却を適切に行うことで、膝の赤みや炎症の症状を和らげることができます。症状が改善しない場合は、医療機関での診察をおすすめします。

保湿で乾燥を防ぐ

空気が乾燥する季節や、肌が乾燥しやすい方は、膝の皮膚が乾燥して赤くなることがあります。膝の皮膚は他の部位に比べて皮脂腺が少ないため、乾燥しやすく、バリア機能が低下しやすい部分です。保湿クリームを塗ることで症状が改善され、以下の効果があります。

  • 皮膚の水分を保持する
  • バリア機能をサポートする
  • 皮膚の炎症を抑える
  • 血行を促進する

保湿クリームを選ぶ際は、低刺激性で無香料のものを選びましょう。尿素やヘパリン類似物質などの保湿成分が含まれているものもおすすめします。敏感肌の方は、香料や防腐剤に特に注意が必要です。保湿クリームは、入浴後や就寝前に膝全体に優しく塗布しましょう。継続的なケアにより、膝の皮膚の乾燥を防ぎ、赤みを軽減することができます。

摩擦に注意する

膝への摩擦や圧迫を繰り返すと、皮膚が刺激され赤みや炎症を引き起こす可能性があります。衣類が摩擦の原因となることがあるため、ジーンズなどの硬い生地やストッキングの締め付けには注意が必要です。正座や床に膝をつく姿勢もなるべくは避けましょう。

刺激を避けるために、以下のような工夫をしましょう。

  • 締め付けの少ない衣類を選ぶ
  • 膝当てを使用する
  • 床に直接膝をつかないようにする
  • 綿素材の柔らかいズボンやスカートを選ぶ
  • ヨガマットやクッションを使用する
  • 長ズボンやタイツを着用する

日常生活の中で、これらの対策を実践することで、膝の赤みや炎症のリスクを減らすことができます。

症状に合った市販薬を使用する

膝の赤みに対して、市販の塗り薬が効果を発揮する場合があります。症状に合わせて適切な薬を選ぶことが重要です。市販薬には、ステロイド外用薬と非ステロイド外用薬があります。

ステロイド外用薬は、抗炎症作用の効果が高い反面、長期使用による副作用のリスクがあります。非ステロイド外用薬は、副作用が少なく、比較的安心して使用できるのが特徴です。市販薬を使用する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 使用方法や注意事項をよく読む
  • 症状が改善しない場合は使用を中止する
  • 症状が悪化した場合は医療機関を受診する

自己判断で薬を使い続けると、症状の悪化や副作用の可能性があるため、医師の指示に従って使用することが重要です。

症状が続く場合は専門医を受診する

膝の赤みに対する対処法を試しても、以下の症状がある場合は早めに専門医を受診しましょう。

  • 赤みが2週間以上続いている
  • 赤みが広がっている
  • 他の症状(発熱、膝の腫れ、熱感、痛み、全身倦怠感など)が現れる

痛みがなくても放置すると、症状が悪化したり、思わぬ病気が隠れていたりする可能性があります。初期の関節リウマチや感染症などは、痛みがないまま赤みなどの症状が現れることがあります。受診する科について迷う場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。必要に応じて、整形外科や皮膚科などの専門医を紹介してもらえます。

早期発見・早期治療が大切です。気になる症状があれば、ためらわずに医療機関に相談しましょう。

膝の赤みを放置することの危険性

膝の赤みは、痛みがない場合でも注意が必要です。気づかないうちに症状が進行している可能性があります。初期段階では自覚症状がなくても、放置することで将来的に大きな問題につながるケースがあります。健康な膝は、皮膚の色が均一で触っても熱感はありません。

何らかの原因で膝が赤くなっている場合、以下のような健康上の問題を示している可能性があります。

  • 感染症のリスク
  • 基礎疾患の悪化
  • 症状の慢性化

早期発見・早期治療のためにも、膝の赤みを軽視せず、適切な対処をすることが大切です。

感染症のリスク

皮膚は、体を外部の刺激から守るバリアの役割を果たしています。しかし、皮膚のバリア機能が低下すると、小さな傷から細菌が侵入し、感染症を引き起こすリスクが高まります。膝が赤くなっている場合、皮膚に炎症が起きている可能性があり、感染症のリスクも高まると考えられます。アトピー性皮膚炎や湿疹など、皮膚がもともと弱い方や日常的に膝を地面につく動作が多い方は注意が必要です。

感染症の初期症状としては、赤みやかゆみ、熱感や腫れ、痛みなどがあります。感染症が悪化すると、膿の溜まりや発熱、リンパ節の腫れなどの症状が現れることがあります。感染症を予防するためには、以下の点に注意しましょう。

  • 清潔を心がける
  • 入浴後や汗をかいた後は、清潔なタオルで水分を拭き取る
  • 保湿クリームで皮膚を保護する
  • 傷がある場合は、適切な処置を行い、清潔なガーゼで保護する

膝の赤みに加えて、発熱や強い痛み、腫れなどの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

基礎疾患の悪化

膝の赤みが続く場合、基礎疾患の可能性を考慮し、早期の受診をおすすめします。適切な治療を受けなければ、時間の経過とともに膝関節の状態が変化する可能性があるためです。基礎疾患には、関節リウマチや痛風などがあります。

関節リウマチは、免疫システムの異常によって関節に炎症が起こる病気です。初期症状として、関節の腫れや痛み、赤みなどが現れることがあります。多くの場合、朝起きたときに関節のこわばりがみられます。

痛風は、尿酸塩が関節に沈着することで炎症を起こす病気です。発作時には、激しい関節の痛みや腫れ、赤みなどが現れます。足の親指の付け根に発症することが多いですが、膝関節に発症することもあります。医療機関では、以下の検査を行い正確な診断を行います。

  • 血液検査:炎症反応や尿酸値の確認
  • 画像検査:X線検査やMRI検査による関節の状態確認

膝の赤みが続く場合は、基礎疾患の可能性も考慮し速やかに医療機関を受診しましょう。

症状の慢性化

膝の赤みに正しく対処しないと症状が長引き、改善に時間がかかる場合があります。初期段階では、冷却や保湿などのセルフケアで改善することもありますが、慢性化する日常的なケアだけでは効果が得られにくくなります。慢性化による影響は、以下のとおりです。

  • 皮膚の色素沈着
  • 皮膚の肥厚
  • 見た目への影響

膝の赤みが続く場合は、自己判断で治療せずに、医療機関を受診するようにしましょう。医師の診察を受け、適切な治療を受けることで、症状の悪化や慢性化を防ぐことができます。日常生活での注意点やスキンケア方法などについても、医師に相談するようにしましょう。

まとめ

膝の赤みの主な原因は、以下のとおりです。

  • 血行不良による赤み
  • 皮膚の炎症による赤み
  • アレルギー反応による赤み
  • 軽度の打撲や摩擦による赤み

適切な対処法があるため、まずは原因を探ることが大切です。痛みがない膝の赤みへの対処法は以下のとおりです。

  • 冷却で炎症を抑える
  • 保湿で乾燥を防ぐ
  • 摩擦に注意する
  • 症状に合った市販薬を使用する
  • 症状が続く場合は専門医を受診する

上記の対処法を試しても改善しない場合や、他の症状が現れた場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。感染症や基礎疾患の悪化、症状の慢性化といったリスクを避けるためにも、早期の診断と治療が重要です。この記事が、皆様の不安解消と健康な膝を取り戻すための参考になれば幸いです。

参考文献

Dainese P, Wyngaert KV, De Mits S, Wittoek R, Van Ginckel A, Calders P. Association between knee inflammation and knee pain in patients with knee osteoarthritis: a systematic review. Osteoarthritis Cartilage, 2022 Apr;30(4):516-534.

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