• 2025年1月22日

骨粗鬆症ってどんな症状があるの?

あなたは、背中の痛みや身長の縮みを感じたことはありませんか?もしかしたら、それは「骨粗鬆症」のサインかもしれません。骨粗鬆症は、初期症状がほとんどなく、気づかないうちに骨折に至る恐ろしい病気です。まるで忍び寄る影のように、健康を蝕んでいくのです。

EUの調査では、骨粗鬆症患者は女性2200万人、男性550万人にも上り、さらに年間350万件もの脆性骨折が発生しています。その経済的損失は370億ユーロにも及ぶと推定されています。これは決して他人事ではありません。あなた自身、あるいはあなたの大切な人が、この「沈黙の病気」に苦しむ可能性があるのです。

この記事では、骨粗鬆症の初期症状や、その恐ろしさを具体的に解説します。背中の痛み、身長の縮み、そして何よりも恐ろしい骨折のリスク。これらの症状やリスクを理解することで、あなたは骨粗鬆症から身を守る第一歩を踏み出せます。早期発見、早期治療こそが、健康な未来を守る鍵となるのです。 あなた自身の健康を守るため、そして大切な人を守るためにも、ぜひ読み進めてください。

骨粗鬆症の初期症状と気づくポイント

骨粗鬆症は、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症の怖いところは、初期段階ではほとんど自覚症状がないことです。知らないうちに病気が進行し、気づいたときには骨折していた、というケースも少なくありません。まるで静かに忍び寄る泥棒のようです。

骨粗鬆症は、早期発見・早期治療が重要です。そのためにも、初期症状や気づくポイントを知っておくことが大切です。

骨粗鬆症の典型的な症状とその特徴

骨粗鬆症が進行すると、徐々に次のような症状が現れることがあります。

  • 背中の痛み: 姿勢が悪くなったり、背中が丸くなったり、背中に痛みを感じるようになります。これは、骨が弱くなって背骨がつぶれてしまうことが原因です。積み木を想像してみてください。下の積み木がつぶれると、全体が不安定になりますよね。骨も同じで、背骨がつぶれると、姿勢が悪くなったり、痛みが生じたりするのです。

  • 身長が縮む: これも、背骨がつぶれてしまうことが原因です。数センチ程度縮むこともあり、以前より低い位置にあるものに手が届きにくくなることがあります。

  • 骨折しやすい: 骨がもろくなっているので、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。転んだ拍子に手首を骨折したり、くしゃみをしただけで肋骨を骨折したり、尻もちをついただけで大腿骨を骨折したりすることもあります。高齢者の場合、骨折がきっかけで寝たきりになってしまうケースも少なくありません。

症状 特徴 具体例
背中の痛み 姿勢が悪くなる、背中が丸くなる、痛みが持続する 猫背気味になる、椅子に座るのがつらい、寝返りを打つと痛い
身長が縮む 数センチ程度縮む、以前の服のサイズが合わない ズボンの裾が長くなった、以前は届いていた棚に手が届かない
骨折しやすい 軽い衝撃で骨折する、骨折の治りが遅い つまずいて転んだだけで骨折、骨折してもなかなか治らない

痛みや不安定感を伴う場合の注意点

骨粗鬆症によって、痛みや不安定感を感じることがあります。

  • 背中の痛み: 痛みが強い場合は、我慢せずに医師に相談しましょう。痛み止めを処方してもらったり、コルセットなどで固定することで、痛みを和らげることができます。痛みが慢性化すると、日常生活にも支障をきたす可能性があります。

  • 不安定感: 足腰が不安定だと、転倒のリスクが高まります。手すりや杖を使う、滑りにくい靴を履く、段差をなくすなど、転倒予防に努めましょう。家の中でも、カーペットの端につまずいたり、浴室で滑ったりすることがあります。転倒による骨折は、寝たきりの原因となることもありますので、十分に注意してください。

もし、これらの症状を感じたら、早めに整形外科を受診しましょう。特に、閉経後の女性は、骨粗鬆症のリスクが高いため、定期的な検診を受けることをお勧めします。骨密度検査を受けることで、骨粗鬆症の早期発見・早期治療につながります。

他の疾患との関連性や症状の違い

骨粗鬆症の症状は、他の病気の症状と似ていることがあります。例えば、背中の痛みは、腰痛やぎっくり腰、椎間板ヘルニアなどと間違えられることがあります。また、関節リウマチや変形性関節症なども、骨粗鬆症と似た症状を引き起こすことがあります。

疾患 症状 骨粗鬆症との違い
腰痛 腰の痛み 腰痛は筋肉や靭帯の損傷などが原因であることが多いのに対し、骨粗鬆症による背中の痛みは骨の変形が原因です。
関節リウマチ 関節の痛み、腫れ、こわばり 関節リウマチは免疫の異常が原因で起こる炎症性疾患であり、複数の関節に左右対称性の痛みや腫れが現れることが多いです。骨粗鬆症とは原因が異なります。
変形性関節症 関節の痛み、腫れ、変形 変形性関節症は関節軟骨のすり減りが原因で起こる病気です。骨粗鬆症とは原因が異なります。

自己判断せずに、医療機関を受診して適切な診断を受けることが重要です。骨粗鬆症のリスク因子には、加齢、女性ホルモンの減少、遺伝、生活習慣(喫煙、過度の飲酒、運動不足、カルシウムやビタミンDの摂取不足など)、特定の薬剤の使用など、さまざまなものがあります。これらのリスク因子を把握し、生活習慣の改善や適切な治療を受けることで、骨粗鬆症の予防や進行抑制が可能です。

年齢や性別による骨粗鬆症のリスク

骨粗鬆症は、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症は年齢を重ねるごとにリスクが高まりますが、若い頃から生活習慣に気を付けて予防することも大切です。この記事では、年齢や性別、家族歴といった観点から、骨粗鬆症のリスクについて詳しく解説します。ご自身の状況と照らし合わせて、骨粗鬆症の予防や早期発見に役立ててください。

骨粗鬆症が特に多い年齢層

骨粗鬆症は、特に閉経後の女性に多く見られます。女性ホルモン(エストロゲン)には骨の形成を助ける働きがあります。閉経を迎えるとエストロゲンの分泌が急激に減少するため、骨量が減少しやすくなり、骨粗鬆症のリスクが急激に高まります。50歳以降の女性は、骨粗鬆症の危険性について認識し、定期的な骨密度検査を受けるなど、早期発見・早期治療に努めることが重要です。

閉経後は骨密度が急激に低下しやすいため注意が必要です。閉経後は、骨粗鬆症に対する意識を高く持つ必要があると実感しています。骨密度は20~40代でピークに達し、その後は加齢とともに減少していきます。特に女性は閉経後、骨量が急激に減少するため注意が必要です。65歳以上の女性は、骨粗鬆症の検査を受けることが推奨されています。骨粗鬆症は初期段階では自覚症状がない場合が多く、気づかないうちに病気が進行してしまうことがあります。高齢の方は、定期的な健康診断を受ける際に、骨密度検査も合わせて受けるようにしましょう。

年齢層 特徴 具体的な変化 影響
20~40代 骨量がピークに達する時期 骨密度が最大になり、骨が最も丈夫な状態 運動能力が高い、骨折のリスクが低い
50代~ 閉経による女性ホルモンの減少で骨量が減少し始める 骨密度が徐々に低下し始め、骨がもろくなり始める 骨折のリスクが徐々に高まる
65歳以上 骨粗鬆症のリスクが特に高まる 骨密度が著しく低下し、骨折しやすくなる 転倒などで骨折しやすく、寝たきりになるリスクも高まる

男性と女性での発症率の違い

骨粗鬆症は女性に多い病気というイメージがありますが、男性も骨粗鬆症になる可能性があります。女性に比べて男性は骨量がもともと多く、女性ホルモンの急激な減少もないため、発症率は低いですが、高齢になると男性ホルモンの減少や生活習慣病などの影響で骨粗鬆症を発症するリスクが高まります。

EUにおける調査では、骨粗鬆症患者は女性2200万人、男性550万人と報告されており、女性の患者数が男性の約4倍となっています。女性は閉経後に骨量が急激に減少するため、男性よりも骨粗鬆症になりやすいのです。しかし、男性も年齢を重ねるごとに骨量は減少していくため、油断は禁物です。男性も高齢になると骨粗鬆症のリスクが高まることを理解し、適切な対策をとる必要があります。

性別 特徴 具体的な変化 影響
女性 閉経後、女性ホルモンの減少により骨量が急激に減少する 閉経後5~10年で骨量が大きく減少する 骨折リスクが急激に高まる
男性 女性に比べて骨量は多いが、加齢とともに減少する 加齢による男性ホルモンの減少や生活習慣病などが影響する 高齢になると骨折リスクが高まる

家族歴や遺伝的要因の影響

骨粗鬆症は、生活習慣だけでなく、遺伝的な要因も関係しています。両親や兄弟姉妹など、近親者に骨粗鬆症の方がいる場合は、そうでない方に比べて骨粗鬆症のリスクが高いと言われています。家族歴や遺伝的要因は、骨の質や骨の形成に影響を与えます。骨粗鬆症は、骨を作る能力と骨を壊す能力のバランスが崩れることで起こります。遺伝的に骨を作る能力が低い場合や骨を壊す能力が高い場合は、骨粗鬆症になりやすい体質と言えるでしょう。

例えば、遺伝的に骨密度が低い体質の場合、若い頃から骨量が少なく、加齢とともに骨粗鬆症を発症するリスクが高くなります。また、骨を壊す細胞の働きが活発な体質の場合も、骨量が減少しやすく、骨粗鬆症になりやすい傾向があります。家族に骨粗鬆症の方がいる場合でも、バランスの良い食事や適度な運動、禁煙などを心がけることで、骨粗鬆症の予防に繋がります。私の患者さんにも、お母様が骨粗鬆症で、自分も将来骨粗鬆症になるのではないかと心配されていた方がいらっしゃいました。その方には、骨粗鬆症の予防について詳しく説明し、生活習慣の改善を指導しました。骨粗鬆症は遺伝的要因だけでなく、生活習慣の影響も大きいため、生活習慣を改善することでリスクを軽減できる可能性があります。

骨粗鬆症の症状改善に向けた生活習慣

骨粗鬆症と診断された時、多くの方は不安な気持ちを抱かれることでしょう。骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気ですが、適切な生活習慣を身につけることで進行を遅らせ、骨折のリスクを減らすことができます。

骨粗鬆症は「沈黙の病気」とも呼ばれ、初期には自覚症状がほとんどありません。そのため、知らないうちに病気が進行し、骨折して初めて骨粗鬆症に気づく方も少なくありません。高齢化が進むEUでは、骨粗鬆症の患者は女性2200万人、男性550万人、そして新たに350万件もの脆性骨折が発生しています。この骨折と、過去の骨折による経済的負担はなんと370億ユーロにも上ると推定されています。まるで、社会全体を蝕む大きな影のようです。

しかし、諦める必要はありません。未来の健康のために、今日からできることから始めてみましょう。

効果的な運動方法とその頻度

骨粗鬆症の予防や改善には、運動が不可欠です。骨に適度な刺激を与えることで骨の形成が促されます。効果的な運動の種類、頻度、そして注意点について詳しく見ていきましょう。

おすすめの運動

  • ウォーキングなどの有酸素運動: 毎日30分程度のウォーキングは、手軽に始められる運動です。近所の公園を散歩したり、通勤経路を少し変えてみるのも良いでしょう。ウォーキングは、手軽に始められる運動です。ウォーキングは骨を強くするだけでなく、心臓や肺の機能向上にも効果的です。
  • 筋力トレーニング: 筋肉は骨を支える重要な役割を果たしています。筋力トレーニングを行うことで、骨への負荷が増し、骨密度が向上します。スクワット、腕立て伏せなど、自分の体重を利用したトレーニングは自宅でも簡単に行えます。軽いダンベルを使ったトレーニングも効果的です。週に2~3回行うのが理想的です。スクワット、腕立て伏せなど、自分の体重を利用したトレーニングは自宅でも簡単に行えます。
  • バランス運動: 太極拳やヨガは、バランス感覚を養い、転倒予防に効果的です。転倒は骨折の大きな原因となるため、バランス感覚を鍛えることは非常に重要です。また、体幹を鍛えることで姿勢も良くなります。太極拳やヨガは、バランス感覚を養い、転倒予防に効果的です。

運動の頻度と注意点

運動は、毎日行うのが理想的ですが、難しい場合は週に3回以上を目標にしましょう。重要なのは、無理なく続けられることです。自分の体力や体調に合わせて、運動の種類や強度を調整しましょう。運動中に痛みを感じた場合は、すぐに中止し、医師に相談することが大切です。

必要な栄養素と食事のポイント

骨の健康を維持するためには、栄養バランスの良い食事が不可欠です。特にカルシウムとビタミンDは、骨の形成に重要な役割を果たします。これらの栄養素を積極的に摂取し、骨を丈夫に保ちましょう。

カルシウム

カルシウムは、骨の主要な構成成分です。カルシウムが不足すると、骨がもろくなり、骨折しやすくなります。1日に必要なカルシウムの摂取量は、成人でおよそ650~800mgです。

  • カルシウムを多く含む食品: 牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、小魚、ひじきなどの海藻類、豆腐・納豆などの大豆製品、小松菜・ほうれん草などの緑黄色野菜など、様々な食品から摂取できます。牛乳が苦手な方は、ヨーグルトやチーズ、あるいはカルシウム強化食品からカルシウムを摂取できます。

ビタミンD

ビタミンDは、腸管からのカルシウムの吸収を促進する働きがあります。ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収が悪くなり、骨粗鬆症のリスクが高まります。ビタミンDは、日光浴によっても生成されますが、食事からも摂取することが重要です。

  • ビタミンDを多く含む食品: 鮭、さんまなどの魚類、きのこ類、卵などに多く含まれています。

食事のポイント

  • バランスの良い食事を心がける。
  • カルシウムとビタミンDを十分に摂取する。
  • 塩分、カフェイン、アルコールの過剰摂取はカルシウムの吸収を阻害するため、注意が必要です。
  • 適度な日光浴をする。1日15分ほど日光を浴びることで、ビタミンDを生成することができます。ただし、過度な日光浴は皮膚がんのリスクを高めるため、注意が必要です。

日常生活で気を付けるべき習慣

骨粗鬆症の予防や改善には、日々の生活習慣の見直しも重要です。特に転倒予防は、骨折を防ぐ上で非常に大切です。

転倒予防

  • 家の中を整理整頓し、段差をなくす。
  • 滑りやすい場所にはマットを敷く。
  • 暗い場所では照明をつける。
  • 階段には手すりをつける。
  • 靴は、かかとが低く、滑りにくいものを選ぶ。

転倒は、家の中でも起こりうるということを常に意識し、予防に努めることが重要です。転倒は、家の中でも起こりうるということを常に意識し、予防に努めることが重要です。

禁煙・過度の飲酒を控える

喫煙は骨密度を低下させるため、禁煙することが大切です。また、過度の飲酒も骨密度を低下させるため、適量を守りましょう。

これらの習慣を心がけ、骨を丈夫に保ち、健康的な生活を送りましょう。

まとめ

骨粗鬆症は、初期症状に気づきにくく、気づいたときには骨折していることも。背中の痛みや身長の縮小、骨折しやすさなどが症状として現れます。これらの症状を感じたら、早めに整形外科を受診し、骨密度検査を受けましょう。閉経後の女性は特にリスクが高いので、定期的な検診がおすすめです。骨粗鬆症は加齢以外にも、遺伝や生活習慣が影響します。しかし、適切な運動、バランスの良い食事、転倒予防など、生活習慣を改善することで進行を遅らせ、健康的な生活を送ることが可能です。ご自身の状況を良く理解し、今日からできることから始めて、健康な骨を維持しましょう。不安なことがあれば、医師に相談してくださいね。

参考文献

  1. Lane NE. “Epidemiology, etiology, and diagnosis of osteoporosis.” American journal of obstetrics and gynecology 194, no. 2 Suppl (2006): S3-11.
  2. Hernlund E, Svedbom A, Ivergård M, Compston J, Cooper C, Stenmark J, McCloskey EV, Jönsson B and Kanis JA. “Osteoporosis in the European Union: medical management, epidemiology and economic burden. A report prepared in collaboration with the International Osteoporosis Foundation (IOF) and the European Federation of Pharmaceutical Industry Associations (EFPIA).” Archives of osteoporosis 8, no. 1 (2013): 136.

追加情報

[title]: Epidemiology, etiology, and diagnosis of osteoporosis.,

骨粗鬆症の疫学、病因、および診断

【要約】

  • 骨粗鬆症は世界的な高齢化に伴い増加しており、主要な公衆衛生上の問題となっている。骨強度が低下し、股関節、脊椎、その他の骨部位の骨折リスクが増加する骨格障害である。

  • 骨粗鬆症性骨折のリスク因子としては、ピーク骨量の低下、ホルモン因子、特定の薬物(例:グルココルチコイド)の使用、喫煙、身体活動の低下、カルシウムとビタミンDの摂取不足、人種、体格の小ささ、骨折の既往歴などが挙げられる。これらの全てを考慮して骨折リスクを評価し、治療の必要性を判断する必要がある。

  • 骨粗鬆症性骨折のリスクは高齢女性の方が高齢男性よりも高いため、閉経後女性は全て定期的な身体検査で骨粗鬆症の徴候を評価すべきである。骨密度検査は、65歳以上の女性、リスク因子を持つ閉経後の若い女性、骨折歴のある全ての閉経後女性など、高リスクの患者に限定すべきである。

  • 骨代謝回転の生化学マーカーの評価は臨床研究において有用であるが、その予測因子は明確に定義されておらず、骨密度検査の代替としては使用すべきではない。

  • 骨粗鬆症のリスク因子の臨床的評価と骨密度の客観的測定を組み合わせることで、介入の恩恵を受ける患者を特定し、骨粗鬆症関連骨折による罹患率と死亡率を軽減できる可能性がある。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16448873,

[quote_source]: and Lane NE. “Epidemiology, etiology, and diagnosis of osteoporosis.” American journal of obstetrics and gynecology 194, no. 2 Suppl (2006): S3-11.


[title]: Osteoporosis in the European Union: medical management, epidemiology and economic burden. A report prepared in collaboration with the International Osteoporosis Foundation (IOF) and the European Federation of Pharmaceutical Industry Associations (EFPIA).,

EUにおける骨粗鬆症:医療管理、疫学、経済的負担

【要約】

  • EU27カ国における骨粗鬆症の疫学、負担、治療について報告している。

  • 骨粗鬆症は骨量の減少と骨構造の破壊を特徴とし、脆性骨折のリスク増加につながる。脆性骨折は、患者にとって大きな痛み、苦痛、障害、さらには死亡をもたらし、社会にとっても大きなコストとなる。この報告書の目的は、2010年以降のEU27における骨粗鬆症の負担を明らかにすることだった。

  • 文献レビューとモデルを用いて、2010年の骨粗鬆症性骨折の臨床的および経済的負担を推定した。

  • 骨粗鬆症患者は女性2200万人、男性550万人に上り、新たに350万件の脆性骨折が発生したと推定された。内訳は、大腿骨頸部骨折61万件、椎体骨折52万件、前腕骨折56万件、その他骨折180万件(骨盤、肋骨、上腕骨、脛骨、腓骨、鎖骨、肩甲骨、胸骨、その他大腿骨骨折など)であった。

  • 発生した骨折と過去の骨折による経済的負担は370億ユーロと推定された。発生した骨折が66%、長期的な骨折治療が29%、薬物予防が5%を占めた。過去の骨折と発生した骨折により、2010年には118万QALY(健康寿命)が失われた。コストは2025年までに25%増加すると予想される。

  • 骨粗鬆症関連骨折を経験した人や骨折リスクが高い人の多くは治療を受けておらず、治療を受けている患者の数は減少している。

  • 骨粗鬆症の高い社会経済的コスト、治療ギャップの拡大、高齢化による経済的負担の増加にもかかわらず、骨折を予防するための薬物介入の使用は近年減少しており、医療政策の見直しが必要であることを示唆している。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24113837,

[quote_source]: Hernlund E, Svedbom A, Ivergård M, Compston J, Cooper C, Stenmark J, McCloskey EV, Jönsson B and Kanis JA. “Osteoporosis in the European Union: medical management, epidemiology and economic burden. A report prepared in collaboration with the International Osteoporosis Foundation (IOF) and the European Federation of Pharmaceutical Industry Associations (EFPIA).” Archives of osteoporosis 8, no. 1 (2013): 136.

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