- 2025年1月22日
膝痛を予防する為の効果的なトレーニング方法を知りたい
日常生活に支障をきたす膝の痛み。階段の上り下りや立ち座りが辛く、生活の質が低下していると感じている方もいるのではないでしょうか? 加齢や運動不足、肥満などが原因となる膝痛ですが、実は適切なトレーニングによって予防・改善できる可能性があるのです。
近年、膝痛予防に効果的なトレーニング方法が注目を集めています。 それは、自宅で手軽にできるストレッチから、ジムでの筋力トレーニング、そして水中運動まで、多様な選択肢があるからです。 この記事では、これらのトレーニングを具体的に紹介し、あなたの膝の健康を守るための方法を徹底解説します。 高齢者の方や初心者の方にも安心して取り組めるメニューもご用意。 「もう膝の痛みに悩まない!」を実現するための、効果的なトレーニング方法を学び、快適な生活を取り戻しましょう。 あなたの膝の未来を守る第一歩を踏み出してみませんか?
膝痛予防に効果的なトレーニングの種類とは
膝の痛みは、日常生活に大きな支障をきたす悩みの種です。特に、階段の上り下りや立ち座りの動作で痛みを感じると、それまで何気なくできていた動作が苦痛となり、行動範囲も狭まってしまうなど、生活の質を大きく低下させてしまうこともあります。膝の痛みは、加齢や激しい運動、肥満など様々な原因によって引き起こされますが、適切なトレーニングを行うことで予防や改善が期待できます。この記事では、膝痛予防に効果的なトレーニングの種類を、自宅でできるストレッチ、ジムで行う筋力トレーニング、水中運動の3つのカテゴリーに分けてご紹介します。自分に合ったトレーニング方法を見つけて、健康な膝を維持しましょう。
自宅でできる膝痛予防ストレッチ
自宅で手軽に行えるストレッチは、膝痛予防の第一歩です。特別な道具も必要なく、テレビを見ながらやお風呂上がりなど、ちょっとした空き時間に実践できるので、継続しやすいというメリットがあります。
太ももの前側のストレッチ: 椅子に浅く腰掛け、片方の足を後ろに曲げ、かかとをお尻に近づけます。この時、太ももの前側に伸びを感じることが大切です。左右15秒ずつ、3セット行いましょう。股関節が硬い人は、椅子に深く腰掛けるとストレッチ効果を感じやすくなります。また、お尻の筋肉が硬い人も股関節の動きが悪くなるため、併せてお尻のストレッチも行うと効果的です。
太ももの裏側のストレッチ: 床に足を伸ばして座り、片方の足を軽く曲げます。曲げた足のつま先を両手で持ち、ゆっくりと胸に近づけます。太ももの裏側に伸びを感じながら、左右15秒ずつ、3セット行いましょう。このストレッチは、ハムストリングスの柔軟性を高める効果があります。ハムストリングスが硬いと、骨盤が後傾しやすくなり、姿勢が悪くなって腰痛や膝痛の原因となることがあります。
ふくらはぎのストレッチ: 壁に手をついて立ち、片方の足を後ろに引き、かかとを地面につけたまま膝を伸ばします。ふくらはぎに伸びを感じながら、左右15秒ずつ、3セット行うと効果的です。ふくらはぎの筋肉である腓腹筋やヒラメ筋は、歩行やランニングの際に重要な役割を果たします。これらの筋肉が硬いと、足首の動きが悪くなり、膝に負担がかかりやすくなってしまいます。
これらのストレッチは、膝関節の柔軟性を高め、筋肉の緊張を和らげる効果があります。毎日継続することで、膝痛を予防し、快適な日常生活を送るための助けとなるでしょう。
ジムで行う筋力トレーニングのメリット
ジムには様々なトレーニングマシンがあり、膝周りの筋肉を効果的に鍛えることができます。特に、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)やハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)を強化することは、膝関節の安定性を高める上で非常に重要です。これらの筋肉が弱いと、膝関節が不安定になり、痛みや怪我のリスクが高まります。
高齢者の場合、加齢とともに筋力が低下しやすいため、特に筋力トレーニングの重要性が増します。若い頃は運動習慣がなかった方でも、高齢になってからでもトレーニングを始めることで、膝痛の予防や改善に繋がることが期待できます。
以前は、筋力トレーニングは、高負荷のトレーニングを行うことで膝の痛みを増悪させる可能性も懸念されていました。しかし、近年の研究では、変形性膝関節症患者において高強度筋力トレーニングと低強度筋力トレーニング、または注意コントロール群と比較しても、18ヶ月後の膝の痛みや膝関節圧迫力を有意に軽減しなかったという報告があります。つまり、適切な負荷設定とフォームで行えば、高負荷のトレーニングでも膝への悪影響は少ないということです。適切な負荷設定とフォームを意識したトレーニング指導を受けることで、安全かつ効果的に膝周りの筋力を強化することができるでしょう。
水中運動の効果と実施方法
水中運動は、浮力によって膝関節への負担を軽減しながら、筋力トレーニングや有酸素運動を行うことができるため、膝痛を抱えている方にもおすすめの運動です。水中ウォーキングや水中エアロビクスなど、様々な水中運動があります。
水中での運動は、水の抵抗を利用して筋力トレーニングの効果を高めることができます。例えば、水中でのウォーキングは、陸上でのウォーキングに比べて、より多くの筋肉を使うため、効率的に筋力アップを図ることができます。また、浮力によって関節への負担が軽減されるため、膝痛がある方でも比較的安全に運動を行うことができます。
水中運動の効果を検証した研究でも、水中運動は、膝関節や股関節の変形性関節症の患者さんにとって、痛みや障害の軽減、生活の質の向上に、小さく、しかし短期的に効果があることが示唆されています。プールを利用できる環境であれば、水中運動を取り入れてみるのも良いでしょう。
膝痛予防トレーニングの正しいやり方
膝の痛みは、日常生活に大きな支障をきたす悩ましい問題です。特に、階段の上り下りや立ち上がる動作、長時間歩いたりする際に、痛みが強くなることがあります。膝痛を予防するためには、日頃から膝周りの筋肉を鍛えるトレーニングが効果的です。トレーニングというと、つらいイメージがあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。自分のペースで、楽しみながら続けられる方法を見つけることが大切です。この章では、膝痛予防トレーニングの正しいやり方について、フォーム、頻度、そして年齢や体力に合わせたメニューなどを具体的にご紹介します。
フォームと頻度を重視したトレーニング指導
トレーニングの効果を最大限に引き出し、怪我を防ぐためには、正しいフォームで行うことが何よりも重要です。例えば、スクワットを行う際に、膝がつま先よりも前に出ると、膝関節の前十字靭帯に大きな負担がかかり、損傷のリスクが高まります。逆に、膝が内側に入ってしまうと、半月板や内側側副靭帯を損傷する可能性があります。正しいフォームを身につけるためには、鏡を見ながら行ったり、トレーナーに指導を受けるのが良いでしょう。
また、トレーニングの頻度も大切です。毎日激しいトレーニングを行うと、筋肉や関節に過度の負担がかかり、炎症を起こしたり、痛みが増悪する可能性があります。適切な休息を挟みながら、週に2~3回、無理のない範囲で行う方が、長続きし、効果も期待できます。
高齢者の場合、加齢に伴い筋力や柔軟性が低下しているため、若い人と同じトレーニングメニューでは、怪我のリスクが高まります。ご自身の体力や健康状態に合わせた適切なトレーニングを選択することが大切です。変形性膝関節症の患者を対象とした研究では、高強度筋力トレーニングと低強度筋力トレーニング、または注意コントロール群を比較した結果、18ヶ月後の膝の痛みや膝関節圧迫力に有意な差は見られませんでした。このことから、高負荷のトレーニングだからといって必ずしも効果が高いわけではなく、むしろ適切な負荷設定とフォームで行うことが重要であるということが示唆されています。
初心者向けの筋力トレーニングメニュー
トレーニングを始める際は、まずウォーキングなどの軽い運動から始めることをおすすめします。ウォーキングは、特別な道具や場所を必要とせず、気軽に始めることができます。さらに、膝への負担も比較的少ないため、膝痛予防に効果的です。ウォーキングに慣れてきたら、スクワットやレッグレイズなどの筋力トレーニングを取り入れてみましょう。
- スクワット: 椅子に座ったり立ったりする動作をイメージしながら、ゆっくりと行います。最初は浅めのスクワットから始め、徐々に深くしていくと良いでしょう。10回を1セットとして、1日に2~3セット行うことから始め、慣れてきたら徐々に回数やセット数を増やしていきます。
- レッグレイズ: 仰向けに寝て、片足をゆっくりと持ち上げます。このとき、腰が反らないように注意し、腹筋に力を入れて行うことが大切です。これもスクワットと同様に、10回×2~3セットから始め、徐々に負荷を上げていきます。
- カーフレイズ: 壁や椅子に手をついて、かかとをゆっくりと上げます。ふくらはぎの筋肉を意識しながら行うことで、足首の安定性向上に繋がります。カーフレイズは比較的負荷が軽いため、毎日行っても構いません。
これらのトレーニングは、最初は無理のない範囲で行い、徐々に強度を上げていくことが大切です。痛みや違和感を感じたら、すぐに中断し、医師や理学療法士に相談するようにしましょう。
高齢者に適した安全な運動方法
高齢者の場合、転倒のリスクを避けるため、安全な場所で行うことが重要です。自宅で行う場合は、床にマットを敷いたり、家具につかまりながら行うと良いでしょう。また、水中ウォーキングもおすすめです。水の中では、浮力によって膝への負担が軽減されるため、安心して運動することができます。水中ウォーキングは、水の抵抗を利用して筋力トレーニングを行うことができるため、陸上でのウォーキングよりも高い運動効果が期待できます。
- 水中ウォーキング: 水深が胸あたりまであるプールで、ゆっくりと歩きます。水の抵抗を利用することで、効率的に筋力トレーニングを行うことができます。
- 椅子に座った状態での体操: 椅子に座ったまま、足を前後に動かしたり、膝の曲げ伸ばしを行う体操は、膝への負担が少なく、高齢者でも安全に行うことができます。
- 太極拳: ゆっくりとした動作で全身を動かす太極拳は、バランス感覚の向上や柔軟性の維持に効果的です。
高齢者の場合、トレーニングの効果はすぐに現れないかもしれません。しかし、継続することで、膝の痛みを軽減し、日常生活動作の改善につながる可能性があります。焦らず、自分のペースで続けることが大切です。水中運動は膝や股関節の変形性関節症の患者さんにとって、痛みや障害の軽減、生活の質の向上に、小さく、しかし短期的に効果があることが研究によって示唆されています。
トレーニングを継続するためのポイント
膝痛予防のトレーニングは、継続してこそ効果を発揮します。しかし、実際にトレーニングを継続するのは容易ではありません。トレーニングを三日坊主に終わらせず、継続していくためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。計画的なスケジュール作成、モチベーションの維持、専門家の意見を参考にした進捗管理という3つのポイントについて詳しく解説します。
計画的なトレーニングスケジュール作成
トレーニングを継続するためには、計画的なスケジュール作成が不可欠です。具体的な目標設定、トレーニング種目の選択、トレーニング頻度・時間・強度の設定、具体的なトレーニング内容の決定、記録と見直しという5つのステップでスケジュールを作成してみましょう。
まず、トレーニングを通して何を達成したいのか、具体的な目標を設定します。「階段の上り下りを楽にしたい」「正座ができるようになりたい」など、具体的な目標を設定することで、モチベーションを高く維持することができます。目標は紙に書き出して、見える場所に貼っておくのもおすすめです。
次に、目標達成に効果的なトレーニング種目を選びます。例えば、階段の上り下りを楽にしたい場合は、太ももの筋肉を鍛えるスクワットやレッグプレスが有効です。正座ができるようになりたい場合は、ストレッチを中心とした柔軟性向上トレーニングが効果的でしょう。
ご自身の体力や生活スタイルに合ったトレーニング頻度・時間・強度を設定することも重要です。例えば、週に3回、1回30分、無理のない強度から始めるのがおすすめです。トレーニングを始めたばかりの頃は、軽めの負荷で週2回からスタートし、徐々に頻度や強度を高めていくと、身体への負担を軽減できます。
各トレーニングセッションで何をするかを具体的に計画することも大切です。「月曜日はスクワット10回×3セット、水曜日はウォーキング30分、金曜日はストレッチ15分」のように、曜日ごとにトレーニング内容を決めておくと、迷うことなくトレーニングに取り組めます。
トレーニングの内容や体調を記録し、定期的に見直す習慣を身につけましょう。トレーニング日誌やアプリを活用することで、進捗状況を把握しやすくなります。
モチベーションを維持するためのコツ
せっかく始めたトレーニングも、モチベーションが下がってしまうと継続が難しくなります。目標を常に意識すること、トレーニング仲間を作ること、ご褒美を設定することなど、モチベーションを維持するためのコツをいくつかご紹介します。
目標を紙に書いて見える場所に貼ったり、スマートフォンの待ち受け画面に設定したりすることで、常に目標を意識することができます。目標を意識することで、トレーニングへの意欲を高めることができます。
友人や家族と一緒にトレーニングをすることで、互いに励まし合い、モチベーションを維持することができます。地域のサークルやジムに通うのも良いでしょう。一人ではなかなか続けられないという方は、誰かと一緒にトレーニングに取り組むことをおすすめします。
トレーニングを続けることで得られるメリットを想像したり、目標達成したら自分にご褒美をあげたりすることで、モチベーションを高めることができます。新しいトレーニングウェアを買ったり、好きなものを食べたりするのも良いでしょう。
変形性膝関節症の患者さんにおける高強度筋力トレーニングの効果に関する研究では、必ずしも高強度トレーニングが効果的とは限らないという結果が出ています。無理のない範囲でトレーニングの強度を設定し、継続していくことが重要です。
専門家の意見を参考にした進捗管理法
自己流のトレーニングでは、効果が出にくいばかりか、怪我のリスクも高まります。専門家の意見を参考にしながら進捗管理を行うことで、安全かつ効果的にトレーニングを進めることができます。
膝の状態や体力に合わせた適切なトレーニング方法や強度について、医師や理学療法士に相談してみましょう。定期的に相談することで、トレーニング内容の見直しや修正を行い、より効果的なトレーニングプログラムを作成できます。
信頼できる専門書籍やウェブサイトの情報も参考にしましょう。解剖学や運動生理学の知識を深めることで、トレーニングの効果を高めることができます。
トレーニングアプリは、トレーニングの記録や管理、モチベーション維持に役立ちます。動画で正しいフォームを確認できるアプリや、専門家からのアドバイスを受けられるアプリなど、自分に合ったアプリを選びましょう。
血小板豊富血漿(PRP)注射の膝関節症への効果に関する研究では、PRP注射は必ずしも有効とは限らないという結果が出ています。トレーニングによる痛みの改善効果がない場合でも、PRP注射などの他の治療法に飛びつくのではなく、まずは専門家への相談が重要です。
まとめ
この記事では、膝痛予防に効果的なトレーニング方法を、自宅でできるストレッチ、ジムでの筋力トレーニング、水中運動の3つのカテゴリーに分けて紹介しました。 どれも膝への負担を軽減しながら効果的に筋肉を鍛え、膝関節の安定性を高めるのに役立ちます。
重要なのは、正しいフォームと適切な頻度です。無理のない範囲から始め、徐々に強度を上げていくことが大切。痛みを感じたらすぐに中止し、医師や理学療法士に相談しましょう。 高齢者の場合は、安全な場所を選び、体力に合わせたメニューを選択することが重要です。水中運動は特に負担が少なくおすすめです。
継続が鍵となるため、計画的なスケジュールとモチベーション維持、専門家の意見を参考にしながら進めていきましょう。 目標を立て、記録をつけ、必要に応じて修正を加えながら、健康な膝を維持するためのトレーニングを、ぜひ今日から始めてみてください。 あなたに合った方法を見つけて、快適な生活を取り戻しましょう!
参考文献
- Bartels EM, Juhl CB, Christensen R, Hagen KB, Danneskiold-Samsøe B, Dagfinrud H and Lund H. “Aquatic exercise for the treatment of knee and hip osteoarthritis.” The Cochrane database of systematic reviews 3, no. 3 (2016): CD005523.
- Messier SP, Mihalko SL, Beavers DP, Nicklas BJ, DeVita P, Carr JJ, Hunter DJ, Lyles M, Guermazi A, Bennell KL and Loeser RF. “Effect of High-Intensity Strength Training on Knee Pain and Knee Joint Compressive Forces Among Adults With Knee Osteoarthritis: The START Randomized Clinical Trial.” JAMA 325, no. 7 (2021): 646-657.
- Bennell KL, Paterson KL, Metcalf BR, Duong V, Eyles J, Kasza J, Wang Y, Cicuttini F, Buchbinder R, Forbes A, Harris A, Yu SP, Connell D, Linklater J, Wang BH, Oo WM and Hunter DJ. “Effect of Intra-articular Platelet-Rich Plasma vs Placebo Injection on Pain and Medial Tibial Cartilage Volume in Patients With Knee Osteoarthritis: The RESTORE Randomized Clinical Trial.” JAMA 326, no. 20 (2021): 2021-2030.
追加情報
[title]: Aquatic exercise for the treatment of knee and hip osteoarthritis.,
【要約】
本レビューは、水中運動が膝または股関節の変形性関節症患者に及ぼす効果を、無介入群と比較して評価したコックレーンレビューのアップデート版である。
2015年4月28日までのデータを、複数のデータベースから言語制限なく検索し、膝または股関節の変形性関節症患者を対象としたランダム化比較臨床試験を対象とした。
以前のレビューに含まれていた2件の試験を除外し、新たに9件の試験を追加。合計13件の試験(参加者1190人)を分析した。参加者の多くは女性(75%)、平均年齢68歳、平均BMI 29.4であった。
メタアナリシス結果によると、水中運動は対照群と比較して、痛みの軽減(SMD -0.31)、障害の軽減(SMD -0.32)、生活の質の向上(SMD -0.25)という小さな短期的な改善をもたらした。これは、疼痛と機能障害スコアが5ポイント低く(95%CI:3~8ポイント低く)、生活の質スコアが7ポイント高く(95%CI:0~13ポイント高く)なることに相当する(0~100点スケール)。
重篤な有害事象は報告されなかった。しかし、参加者と担当者の盲検化を除くすべてのドメインにおいて、バイアスのリスクは低から不明であった。
本レビューは、水中運動が膝・股関節変形性関節症患者の自己報告による疼痛、障害、生活の質に、小さく、短期的な、臨床的に意味のある効果をもたらす可能性があるという中等度の質のエビデンスを示している。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27007113,
[quote_source]: Bartels EM, Juhl CB, Christensen R, Hagen KB, Danneskiold-Samsøe B, Dagfinrud H and Lund H. “Aquatic exercise for the treatment of knee and hip osteoarthritis.” The Cochrane database of systematic reviews 3, no. 3 (2016): CD005523.
[title]: Effect of High-Intensity Strength Training on Knee Pain and Knee Joint Compressive Forces Among Adults With Knee Osteoarthritis: The START Randomized Clinical Trial.,
変形性膝関節症患者における高強度筋力トレーニングの効果:STARTランダム化臨床試験
【要約】
変形性膝関節症患者の大腿筋力低下は、膝の痛みと疾患進行に関与するが、高強度筋力トレーニングの効果とその症状悪化の可能性については不明な点が多い。
本研究は、変形性膝関節症患者において、高強度筋力トレーニングが低強度筋力トレーニングや注意コントロール群よりも膝の痛みと膝関節圧迫力を軽減するかどうかを検証するランダム化比較試験である。
ノースカロライナ州の大学研究センターで、BMI 20~45の50歳以上の変形性膝関節症患者377名を対象に、2012年7月から2016年2月まで登録を行い、2017年9月にフォローアップを完了した。
参加者は、高強度筋力トレーニング群(127名)、低強度筋力トレーニング群(126名)、注意コントロール群(124名)の3群に無作為に割り付けられた。
主要アウトカムは、18ヶ月後のWOMAC膝痛スコア(0~20点、最小臨床的に重要な差[MCID] 2点)と、歩行中の脛骨長軸に沿って作用する最大脛骨大腿骨接触力(MCID 不明)であった。
ランダム化された377名(平均年齢65歳、女性151名[40%])のうち、320名(85%)が試験を完了した。
18ヶ月後の調整済み(性別、ベースラインBMI、ベースラインアウトカム値)WOMAC疼痛スコアは、高強度群とコントロール群(5.1対4.9点、調整済み差0.2点、95%CI -0.6~1.1、P=.61)、高強度群と低強度群(5.1対4.4点、調整済み差0.7点、95%CI -0.1~1.6、P=.08)の間で統計的に有意な差はなかった。
膝関節圧迫力の平均値も、高強度群とコントロール群(2453 N対2512 N、調整済み差-58 N、95%CI -282~165 N、P=.61)、高強度群と低強度群(2453 N対2475 N、調整済み差-21 N、95%CI -235~193 N、P=.85)の間で統計的に有意な差はなかった。
重症ではない有害事象が87件(高強度群53件、低強度群30件、コントロール群4件)、研究とは無関係の重症有害事象が13件発生した(高強度群5件、低強度群3件、コントロール群5件)。
変形性膝関節症患者において、高強度筋力トレーニングは、低強度筋力トレーニングまたは注意コントロールと比較して、18ヶ月後の膝の痛みや膝関節圧迫力を有意に軽減しなかった。本研究の結果は、変形性膝関節症患者における高強度筋力トレーニングの低強度筋力トレーニングや注意コントロールへの優位性を支持しない。
試験登録番号:ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01489462
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33591346,
[quote_source]: Messier SP, Mihalko SL, Beavers DP, Nicklas BJ, DeVita P, Carr JJ, Hunter DJ, Lyles M, Guermazi A, Bennell KL and Loeser RF. “Effect of High-Intensity Strength Training on Knee Pain and Knee Joint Compressive Forces Among Adults With Knee Osteoarthritis: The START Randomized Clinical Trial.” JAMA 325, no. 7 (2021): 646-657.
[title]: Effect of Intra-articular Platelet-Rich Plasma vs Placebo Injection on Pain and Medial Tibial Cartilage Volume in Patients With Knee Osteoarthritis: The RESTORE Randomized Clinical Trial.,
膝関節の変形性関節症患者における関節内血小板豊富血漿(PRP)注射とプラセボ注射の効果:RESTORE ランダム化臨床試験
【要約】
- 膝関節の変形性関節症(OA)に対して、血小板豊富血漿(PRP)注射が症状や関節構造に効果があるかどうかについて、高品質なエビデンスが不足しているため、多くの臨床ガイドラインではPRPを推奨していません。しかし、ガイドラインでは厳格な研究が必要であると強調されています。にもかかわらず、膝OAへのPRPの使用は増加しています。
- 本研究では、軽度から中等度の放射線学的内側膝OAの症状を有する患者における関節内PRP注射の症状と関節構造への影響を評価することを目的としました。
- 本研究は、オーストラリアのシドニーとメルボルンにおいて、2017年8月24日から2019年7月5日にかけて、地域住民(n=288)を対象とした、ランダム化された、2群、プラセボ対照、参加者、注射担当者、評価者全員が盲検化された臨床試験であり、50歳以上の、症状を有する内側膝OA(Kellgren and Lawrence grade 2または3)患者を対象として実施されました。12か月後のフォローアップは2020年7月22日に完了しました。
- 治療には、市販の製品を用いた白血球貧血PRP(n=144名)または生理食塩水プラセボ(n=144名)のいずれかを、週に1回の頻度で3回の関節内注射を行いました。
- 主要評価項目は2つあり、1つは12か月後の全体的な平均膝痛スコア(11点スケール; 範囲0-10、高得点ほど痛みが強い; 最小臨床的に重要な差は1.8)の変化、もう1つは磁気共鳴画像法(MRI)で評価した内側脛骨軟骨容積のパーセント変化でした。31の副次的評価項目(25項目は症状関連、6項目はMRIで評価; 最小臨床的に重要な差は不明)は、2か月後または12か月後のフォローアップ時に、痛み、機能、QOL、全体的な変化、関節構造を評価しました。
- ランダム化された288人の患者(平均年齢61.9歳[SD, 6.5歳]; 女性169人[59%])のうち、269人(93%)が試験を完了しました。両群とも、140人(97%)の参加者が3回の注射すべてを受けました。12か月後、PRP注射群とプラセボ注射群で、膝痛スコアの平均変化はそれぞれ-2.1点と-1.8点でした(差、-0.4点[95% CI、-0.9~0.2点]; P=0.17)。内側脛骨軟骨容積の平均変化はそれぞれ-1.4%と-1.2%でした(差、-0.2% [95% CI、-1.9~1.5%]; P=0.81)。31の事前に指定された副次的評価項目のうち、29項目は群間で有意な差は見られませんでした。
- 症状を有する軽度から中等度の放射線学的膝OA患者において、関節内PRP注射は、生理食塩水プラセボ注射と比較して、12か月後の症状または関節構造に有意な差をもたらしませんでした。これらの結果は、膝OAの治療にPRPを使用することを支持するものではありません。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34812863,
[quote_source]: Bennell KL, Paterson KL, Metcalf BR, Duong V, Eyles J, Kasza J, Wang Y, Cicuttini F, Buchbinder R, Forbes A, Harris A, Yu SP, Connell D, Linklater J, Wang BH, Oo WM and Hunter DJ. “Effect of Intra-articular Platelet-Rich Plasma vs Placebo Injection on Pain and Medial Tibial Cartilage Volume in Patients With Knee Osteoarthritis: The RESTORE Randomized Clinical Trial.” JAMA 326, no. 20 (2021): 2021-2030.