- 2025年1月21日
骨粗鬆症は何科を受診すればいいの?
あなたは、ちょっとした段差でつまずいて骨折した経験、もしくは周りの人が経験したという話を聞いたことがありますか?
実は、高齢者の骨折の多くは骨粗鬆症が原因で起こっています。 日本では、なんと推定1,280万人が骨粗鬆症の疑いがあると言われています。 高齢化社会が進む現代において、骨粗鬆症は決して他人事ではありません。
この記事では、骨粗鬆症の診療科選びで迷っている方のために、整形外科、内科、その他の診療科、そしてオンライン診療まで、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。 早期発見・早期治療が大切な骨粗鬆症、安心して受診できる医療機関を見つけるためのヒントが満載です。
骨粗鬆症を診療できる医療機関4選
骨粗鬆症かな?と思ったら、どの病院に行けばいいの?と悩んでいませんか?この記事では、骨粗鬆症を診てくれる病院の種類や、それぞれの診療科の特徴を、小学生にもわかりやすく解説します。安心して受診できる医療機関を見つけるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
整形外科
整形外科は、骨や関節のケガや病気を専門に扱う診療科です。骨粗鬆症が原因で骨折してしまった場合、その治療は整形外科で行います。例えば、少し段差につまずいただけで足の骨を骨折してしまった、くしゃみをした拍子に背骨を骨折してしまった、といった場合、整形外科を受診することになります。整形外科では、骨をくっつける手術や、ギプスで固定する治療、コルセットを用いた治療などを行います。
また、多くの整形外科では、骨粗鬆症の検査として重要な骨密度検査(骨の強さを測る検査)を実施しています。骨密度検査は、骨粗鬆症の診断に不可欠な検査です。この検査によって、骨の強度がどの程度低下しているかを数値で確認することができます。骨粗鬆症は自覚症状がないまま進行することが多いため、骨折を経験するまで気づかないケースも少なくありません。そのため、特に高齢の方や閉経後の女性は、定期的な骨密度検査を受けることが推奨されています。整形外科では、骨折の治療だけでなく、骨粗鬆症の診断やその後の治療、予防までをトータルでサポートしてくれるところがメリットと言えるでしょう。
内科
内科は、体全体の様々な病気を幅広く診てくれる診療科です。実は、内科でも骨粗鬆症の検査や治療を受けることができます。かかりつけの内科医がいる方は、まずは気軽に相談してみるのも良いでしょう。内科では、骨密度検査や血液検査などを通して骨粗鬆症の診断を行い、必要に応じて薬物療法などの治療を行います。高齢者の場合は、複数の病気を抱えていることも珍しくありません。例えば、高血圧や糖尿病、脂質異常症などを治療中の患者さんが、実は骨粗鬆症も併発していた、というケースはよくあります。骨粗鬆症は他の病気と関係している場合もあるため、内科で全身の状態をチェックしてもらうことはとても大切です。さらに、必要であれば、整形外科や他の専門の医療機関を紹介してくれるので安心です。
その他の診療科(婦人科、代謝内分泌内科など)
骨粗鬆症は、特に女性に多く見られる病気です。これは、女性ホルモンの減少が骨粗鬆症と深く関わっているためです。閉経を迎えた女性は、女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少します。エストロゲンには骨を強くする働きがあるため、エストロゲンの減少は骨密度の低下を招き、骨粗鬆症のリスクを高めます。
そのため、婦人科でも骨粗鬆症の診療を行っている場合があります。婦人科では、女性ホルモンの状態も考慮しながら、骨粗鬆症の治療や予防のアドバイスを受けることができます。婦人科で更年期障害の治療を受けている方は、同時に骨粗鬆症の検査や治療を受けることも検討してみましょう。また、代謝内分泌内科も骨粗鬆症の専門的な診療科です。代謝とは、体の中で栄養素がエネルギーに変わる働きのことで、内分泌とは、ホルモンの分泌のことです。骨の代謝にもホルモンが関わっているため、専門的な知識を持つ代謝内分泌内科でより詳しい検査や治療を受けることができます。高齢者の骨粗鬆症では、骨代謝マーカーと呼ばれる血液検査の値を参考に、より詳細な骨の状態を把握し、治療方針を決定していくことが重要となります。
オンライン診療
オンライン診療とは、インターネットを使って医師の診察を受けることができる新しい診療方法です。自宅にいながら診察を受けられるため、病院に行くのが難しい方にとって便利な選択肢となっています。骨粗鬆症の治療においても、オンライン診療を活用することで、定期的な診察や薬の処方がスムーズに行えます。特に、すでに骨粗鬆症と診断されていて、定期的に薬を処方してもらっている方にとっては、通院の手間を省き、継続的な治療を続けやすくなるというメリットがあります。
オンライン診療では、ビデオ通話やチャットを通じて医師とコミュニケーションを取ることができます。医師は、患者さんの症状や経過を聞き取り、必要に応じて薬の処方箋を発行します。処方箋は、オンライン薬局に転送され、薬は自宅に郵送されます。また、検査が必要な場合は、近隣の医療機関を紹介してもらうことも可能です。ただし、すべての医療機関でオンライン診療に対応しているわけではないため、事前に確認する必要があることと、初診は対面診療が必要な場合もありますので、注意が必要です。
骨粗鬆症の検査・診断3つのポイント
骨粗鬆症は、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。自覚症状がほとんどないため、知らないうちに進行し、骨折して初めて気づくというケースも少なくありません。だからこそ、早期発見・早期治療が重要になります。
骨粗鬆症の検査は、一体どのようなものなのでしょうか?患者さんの中には、「検査は痛いのでは?」「どんなことをされるのか不安」といった声も耳にします。そこで、ここでは骨粗鬆症の検査方法について、3つのポイントに分けて小学生にも理解できるように、具体例を交えながらわかりやすく説明していきます。
骨密度検査
骨密度検査は、骨の強さを測る検査です。骨の中にはカルシウムなどのミネラルが詰まっており、このミネラルの量が多いほど骨は丈夫になります。このミネラルの量を測定することで、骨粗鬆症の診断に役立てるのです。
例えば、お菓子の箱を想像してみてください。お菓子がぎっしり詰まっている箱は丈夫ですが、スカスカの箱は簡単に潰れてしまいますよね。骨も同じで、ミネラルが十分に詰まっていると丈夫で、不足していると脆くなってしまうのです。
骨密度検査で最もよく用いられるのは、DEXA法(デキサ法)と呼ばれる方法です。これは、エックス線を使って腰の骨や腕の骨のミネラル量を測定する検査です。検査自体は痛みもなく、10分程度で終わります。
検査結果は、YAM(若年成人平均値)という20~44歳の健康な日本人の平均骨密度と比較して評価されます。70歳のおばあちゃんの骨密度が、20代の若者と比べてどれくらいあるか、というイメージです。検査結果がYAMの70%未満であれば骨粗鬆症、70~80%の場合は骨減少症と診断されます。骨減少症は、骨粗鬆症予備軍とも言える状態で、骨粗鬆症に移行しやすい状態です。
私の患者さんにも、健康診断で骨密度が少し低いと指摘されたものの、自覚症状がなかったため放置していた方がいました。数年後に軽い転倒で骨折し、改めて検査を受けたところ骨粗鬆症と診断されました。早期に適切な対応をしていれば、骨折を防げたかもしれません。だからこそ、定期的な検査が大切なのです。
血液検査・尿検査
血液検査や尿検査では、骨代謝マーカーを測定します。骨代謝マーカーとは、骨の新陳代謝の状態を表す物質のことです。骨は常に古い骨が壊され(骨吸収)、新しい骨が作られる(骨形成)ことを繰り返しています。このバランスが崩れると、骨粗鬆症になりやすくなります。
例えるなら、家のリフォームのようなものです。古い部分を壊し、新しい部分を作ることで家を維持しています。骨も同じように、常に古い骨を壊し、新しい骨を作ることで健康な状態を保っているのです。しかし、壊す量と作る量のバランスが崩れると、骨がもろくなってしまうのです。
骨代謝マーカーには、骨形成マーカーと骨吸収マーカーの2種類があります。骨形成マーカーは、骨が作られるときに血液中に出てくる物質です。骨吸収マーカーは、骨が壊されるときに血液中や尿中に出てくる物質です。これらのマーカーを調べることで、骨が今、どのくらい活発に新陳代謝を行っているのかを知ることができ、骨粗鬆症の診断や治療効果の判定に役立ちます。
画像検査
骨粗鬆症が疑われる場合や、骨折の有無を確認する場合には、レントゲン検査やCT検査、MRI検査などの画像検査が行われることがあります。レントゲン検査は、骨の形や大きさ、骨折の有無などを確認するために用いられます。骨粗鬆症が進行すると、骨が薄くなったり、骨折しやすくなったりするため、レントゲン写真である程度骨の状態を把握することができます。
CT検査は、レントゲン検査よりも詳細な骨の状態を調べることができます。骨密度や骨の内部構造などを詳しく観察することができ、骨折の診断や治療方針の決定に役立ちます。MRI検査は、骨だけでなく、周囲の筋肉や靭帯、神経などの状態も確認することができます。骨折に伴う軟部組織の損傷や、神経の圧迫などを評価する際に有用です。
これらの検査は、医師の判断に基づいて必要に応じて行われます。どの検査が必要かは、患者さんの症状や年齢、既往歴などを考慮して決定されます。検査を受ける際には、医師から検査の目的や方法について詳しく説明を受けるようにしましょう。
骨粗鬆症は、適切な治療を行うことで骨折のリスクを減らすことができます。治療には、薬物療法や運動療法、食事療法などがあります。骨粗鬆症は、放置すると骨折を繰り返すようになり、生活の質を著しく低下させる可能性があります。早期発見・早期治療のためにも、少しでも気になることがあれば、医療機関に相談することをお勧めします。
骨粗鬆症の治療と予防
骨粗鬆症と診断された方も、これから検査を受けようと考えている方も、骨を強く保つため、治療と予防に取り組むことはとても大切です。骨粗鬆症の治療と予防は、健康寿命を延ばし、充実した毎日を送るために欠かせません。この記事では、骨粗鬆症の治療と予防について、小学生にもわかりやすく解説します。
骨粗鬆症は、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨折のリスクが高い状態を放置すると、再発性の骨折の悪循環に陥り、寝たきりになってしまう可能性も否定できません。
治療と予防の基本となるのは、薬物療法、運動療法、食事療法、生活習慣の改善、そして転倒予防です。これらの柱をバランスよく組み合わせることで、骨を強くし、骨折のリスクを減らすことができます。適切な治療を処方された人でも、処方通りに薬を服用する可能性は低い、というデータもあるように、患者さん自身が治療に積極的に参加していくことが重要です。
薬物療法(ビスホスホネート製剤、SERM、RANKL阻害薬など)
骨粗鬆症の薬には、大きく分けて骨を壊すのを抑える薬と、骨を作るのを助ける薬があります。これらの薬は、骨がもろくなってしまうのを防ぎ、骨折のリスクを減らすのに役立ちます。現在、骨を構築する、あるいは骨の分解を減少させる薬剤は、発生する骨折を減少させる効果が期待されています。
薬の種類は数多くあります。ビスホスホネート製剤は、骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きを抑えることで、骨密度を高める効果があります。SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)は、女性ホルモンと似た働きをすることで骨を守ります。RANKL阻害薬は、骨を壊す細胞が作られるのを抑えることで骨の破壊を防ぎます。
薬の使い方は、飲むタイプ、注射するタイプなど様々です。飲むタイプは毎日飲むものから、週に1回、月に1回飲むものまであります。注射するタイプは、月に1回、あるいは1年に1回注射するものもあります。治療を受ける方の状況に合わせて、医師が適切な薬の種類と使い方を選びます。
例えば、私の患者さんの中には、毎日薬を飲むのが負担だと感じていた方がいらっしゃいました。そこで、週1回服用するタイプの薬に変更したところ、服薬を続けやすくなり、骨密度も改善しました。副作用が出る場合もあるので、医師とよく相談し、自分に合った薬を見つけることが大切です。
運動療法
骨を強くするためには、運動も重要です。骨に適度な刺激を与えることで、骨の形成が促されます。運動は、骨を強くするだけでなく、バランス感覚や筋力を向上させることで転倒予防にもつながります。
おすすめの運動は、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動、そして軽い筋力トレーニングです。ウォーキングは、1日30分程度を目標に、週に3回以上行うと良いでしょう。ジョギングは、無理のないペースで、週に2回程度行うのがおすすめです。
筋力トレーニングは、スクワットや腕立て伏せなど、自分の体重を使った運動で十分です。週に2回程度行うと効果的です。高齢の方や体力に自信のない方は、椅子に座って行う筋力トレーニングや、水中ウォーキングなどもおすすめです。
私の患者さんの中には、運動習慣がなかった方が、ウォーキングを始めたことで、骨密度が改善しただけでなく、体力もつき、日常生活が楽になったと喜んでいらっしゃいました。しかし、激しい運動は逆効果になる場合もあるので、自分の体力に合った運動を選び、無理なく続けることが大切です。
食事療法
骨を強くするためには、食事にも気を配る必要があります。骨の材料となるカルシウムと、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを積極的に摂りましょう。カルシウムを多く含む食品は、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、小魚、ひじきなどの海藻類、小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜などです。ビタミンDを多く含む食品は、鮭、さんま、いわしなどの魚、きのこ類、卵などです。これらの食品をバランスよく食事に取り入れるように心がけましょう。
カルシウムやビタミンDが不足している場合は、サプリメントで補うこともできます。しかし、サプリメントだけで必要な栄養素をすべて摂ることは難しいため、バランスの取れた食事を基本とするのが大切です。
生活習慣の改善(禁煙、節酒など)
骨の健康を保つためには、生活習慣の見直しも重要です。特に、喫煙と過度の飲酒は骨に悪影響を与えるため、禁煙と節酒を心がけましょう。喫煙は、骨を作る細胞の働きを弱め、骨を壊す細胞の働きを強めるため、骨密度を低下させる原因となります。ニコチンはカルシウムの吸収を阻害する作用もあります。
飲酒は、骨を作る細胞の働きを阻害し、骨の形成を妨げます。また、アルコールの分解過程でカルシウムが消費されるため、骨密度が低下する原因となります。禁煙と節酒に加えて、適度な日光浴も大切です。日光を浴びることで、体内でビタミンDが作られます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるため、骨の健康に欠かせない栄養素です。
転倒予防
骨粗鬆症の方は、骨がもろくなっているため、転倒すると骨折しやすくなります。そのため、転倒予防は非常に重要です。家の中では、床に物を置かないように整理整頓し、カーペットの端をきちんと処理しましょう。階段には手すりを設置し、浴室には滑り止めマットを敷くなど、安全対策をしっかりと行いましょう。外出時には、歩きやすい靴を選び、段差に注意しながら歩きましょう。必要に応じて、杖や歩行器の使用も検討しましょう。転倒予防は、骨粗鬆症の治療だけでなく、健康な生活を送る上でも重要です。日頃から転倒リスクに気を配り、安全な生活環境を整えるようにしましょう。
すべての骨折予防薬は治療しますが、病気を治癒するわけではありません。薬剤が中止されると、骨格の劣化は遅かれ早かれ再開されます。非ビスホスホネートでは早く、ビスホスホネートでは遅く再開されます。骨密度が正常に達した場合でも、骨粗鬆症と骨折のリスクの上昇は依然として存在します。後続のDXA Tスコアが-2.5を超えていても、骨粗鬆症の診断は持続するため、骨折を回避するためには、継続的なモニタリングと戦略的な介入が必要です。
まとめ
骨粗鬆症は何科を受診すれば良いか迷ったら、まずは整形外科、内科、婦人科などを検討してみましょう。かかりつけ医がいる場合は、相談してみるのも良いですね。オンライン診療も活用できる場合があります。
骨粗鬆症の検査は、骨密度検査、血液・尿検査、画像検査などがあります。どれも痛みを伴うことはほとんどなく、短時間で終わりますのでご安心ください。
治療と予防には、薬物療法、運動療法、食事療法、生活習慣の改善、転倒予防が大切です。自分に合った方法で、無理なく続けられるように工夫してみましょう。
骨粗鬆症は早期発見・早期治療が大切です。少しでも気になることがあれば、ためらわずに医療機関に相談してくださいね。
参考文献
- LeBoff MS, Greenspan SL, Insogna KL, Lewiecki EM, Saag KG, Singer AJ, Siris ES. “The clinician’s guide to prevention and treatment of osteoporosis.” Osteoporosis international 33, no. 10 (2022): 2049-2102.
追加情報
[title]: The clinician’s guide to prevention and treatment of osteoporosis.,
骨粗鬆症の予防と治療に関する臨床医向けガイド
【要約】
- 骨粗鬆症は米国および世界で最も一般的な代謝性骨疾患です。
- 骨粗鬆症は骨折を合併するまで無症候性です。
- 骨折は、骨折を経験する個人に莫大な医療的および個人的な負担をかけ、経済的に大きな損失をもたらします。
- 50歳以上の成人における新規骨折は、特に最初の骨折から1年後に、その後の骨折のリスクが顕著に高まることを示唆しています。
- 患者が不運な事故と認識しているものが、かなりの外傷の結果であっても、骨の脆弱性と将来の骨折のリスクの増加を示す警告サインとみなされる場合があります。
- 骨粗鬆症性骨折で最も一般的な臨床的または無症候性の椎体骨折は、追加の椎体骨折のリスクが5倍、他の部位での骨折のリスクが2〜3倍増加します。
- 治療されていない骨粗鬆症は、しばしば障害や早死につながる、再発性の骨折の悪循環につながる可能性があります。
- 適切な患者では、効果的な骨折予防薬による治療は骨折を予防し、転帰を改善します。
- プライマリケアの提供者と専門医は、骨折を特定し、実証された骨粗鬆症の介入を開始できる重要なゲートキーパーです。
- 骨粗鬆症の検出、診断、および治療は、すべての成人医療施設において日常的な慣行であるべきです。
- 骨粗鬆症の予防と治療に関する正確な情報を提供するために、骨健康と骨粗鬆症財団(BHOF)(旧国立骨粗鬆症財団)は、1999年に初めて臨床医向けガイドを発行しました。
- その後、骨粗鬆症の診断技術と治療法が大幅に改善されました。
- これらの進歩にもかかわらず、患者のケアには懸念すべきギャップが残っています。
- リスクのある患者は、しばしば骨折確率を確立するためにスクリーニングされず、骨折予防について教育されていません。
- 最も懸念されるのは、骨折を経験した高リスクの女性および男性の大多数が診断されず、効果的なFDA承認の治療を受けていないことです。
- 適切な治療を処方された人でも、処方通りに薬を服用する可能性は低い。
- 臨床医向けガイドは、閉経後の女性と50歳以上の男性における骨粗鬆症の予防、リスク評価、診断、および治療に関する簡潔な推奨事項を提供します。
- これは、骨密度測定の適応症だけでなく、薬物療法のための骨折リスクしきい値も含まれています。
- 現在、骨を構築または骨の分解を減少させる薬剤は、発生する骨折を大幅に減少させます。
- すべての骨折予防薬は治療しますが、病気を治癒するわけではありません。
- 薬剤が中止されると、骨格の劣化は遅かれ早かれ再開されます。非ビスホスホネートでは早く、ビスホスホネートでは遅く再開されます。
- 骨密度が正常に達した場合でも、骨粗鬆症と骨折のリスクの上昇は依然として存在します。
- 後続のDXA Tスコアが-2.5を超えていても、骨粗鬆症の診断は持続します。
- 骨折を回避するためには、継続的なモニタリングと戦略的な介入が必要です。
- 薬物療法に加えて、十分なカルシウムとビタミンDの摂取、喫煙と過度のアルコール摂取の回避、体重をかけたり抵抗を訓練する運動、転倒予防が、骨折予防の手段に含まれます。
- 可能な場合は、このガイドの推奨事項はRCTからの証拠に基づいています。ただし、関連する公開されたデータと専門家の臨床経験からのガイダンスは、RCTの証拠が現在不足しているか、年齢や罹患率のためにRCT参加の対象とならなかった多くの骨粗鬆症患者には適用できない分野における推奨事項の基礎を提供します。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35478046,
[quote_source]: LeBoff MS, Greenspan SL, Insogna KL, Lewiecki EM, Saag KG, Singer AJ and Siris ES. “The clinician’s guide to prevention and treatment of osteoporosis.” Osteoporosis international : a journal established as result of cooperation between the European Foundation for Osteoporosis and the National Osteoporosis Foundation of the USA 33, no. 10 (2022): 2049-2102.