外傷とは

外傷には、いわゆる打撲や捻挫、骨折、さらには切り傷や擦り傷、筋や腱の断裂など様々なものがあります。これら、皮膚の外側から何らかの力が加わって引き起こされたものが外傷です。熱による火傷(やけど)も外傷ということができます。
当院では、こうした外傷全般に関し、診療を行っています。些細なケガの場合、市販薬などによりご自宅で手当てをされたり、様子を見ようとそのままにされたりしていることもあるかもしれません。それで治る場合もありますが、症状が悪化してしまったり、傷跡が残ったり、変形するなどの後遺症が残ってしまう危険もありますので、心配な場合はお早めにご受診ください。
主な外傷
- 捻挫
- 打撲
- 骨折
- 脱臼
- 関節や靭帯のケガ
- 切り傷
- 刺し傷
- 擦り傷
- ペットなどの動物に咬まれた
- 虫さされ
- 火傷 など
打撲
転んだりぶつけたりして、外から強い圧力を受けたときに生じる損傷で、打ち身とも呼ばれるものです。皮膚や、その下の筋、脂肪、血管といった軟部組織が損傷を受けるため、筋肉組織の間に出血や炎症が引き起こされます。その結果、腫れや痛みが生じます。「たんこぶ」と言われる症状は、その代表的なもののひとつです。ほかに内出血による皮膚の変色(アザ)がみられます。最初は青紫色であることが多く、次第に茶色、黄色、緑色などに変化していきます。
打撲は、どこを受傷したかによって処置が異なりますが、基本的に軽い場合は1週間程度で痛みは治まります。皮膚や骨などに損傷がない単純な打撲であれば、湿布をするなどの処置で治癒が望めます。ただし、頭や目などを打撲した場合は、重い症状につながる危険がありますので、お早めに受診することをお勧めします。
切り傷
切り傷は切創ともいい、包丁やカッター、ガラスの破片など、鋭利なもので皮膚を切ってしまったときに生じるもので、痛みや出血が伴います。傷の深さが表皮までの場合、多くはしばらく圧迫しておくことで出血は止まります。状態によっては医療テープによって固定することもありますが、基本的には傷跡も残らず治癒します。
キズが深く、真皮にまで及んでいるときは、医療用テープや医療用接着剤で傷口をふさぎ、程度によっては縫合することもあります。その場合は麻酔を使用します。またキズが脂肪や筋肉に達している場合は、神経や血管、腱などに損傷がないかどうかを確認し、適切な処置をしていく必要があります。
汚れたものでキズがついた場合や、ペットなどの動物の咬み傷、引っ掻き傷の場合は、細菌の感染を予防する必要があります。この場合は傷口の洗浄を行い、抗生剤の軟膏や内服薬を用いることがあります。
捻挫
捻挫とは、外力がかかることにより、関節を支えている靱帯や関節包などの軟部組織、軟骨が損傷した状態です。関節のケガの中で骨折や脱臼を除いたもの、X線で検査を行ったときに異常が写らないものは捻挫と診断されます。
捻挫を発症する可能性があるのは足関節や手関節、肩関節、膝関節など様々な関節で、スポーツでの接触や、日常生活での転倒、交通事故など、捻挫を引き起こす原因も様々です。主な症状としては、受傷した部位の痛みや腫れが挙げられます。また損傷の部位や程度によって、関節がぐらついて不安定になったり、可動域が制限されたりする場合があります。
捻挫の治療では、応急処置として、安静にする、冷やすといったことが大切になります。そのうえでお早めにご受診ください。症状が軽いからと適切な治療を受けずに放置していると、靭帯が伸びたままの状態になってしまい、捻挫を再発しやすくなる危険があります。また関節が拘縮して可動域が狭くなるなど、後遺症が残る場合もあります。
医療機関では部位や重症度に応じ、湿布やアイシングをしたり、ギプスや三角巾などで患部を固定したりして、保存療法を行います。痛みや腫れが治まれば、早い時期からリハビリを行います。靭帯損傷などで関節の不安定性が残るようであれば、手術を検討します。
骨折
骨折とは、骨の強度を超える外力が加わることによって、骨が折れる、ヒビが入る、あるいは砕けるといった状態になることです。激痛を伴うことが多く、腫れや変形、内出血によるアザが現れることもあります。血管が傷つけられて出血を起こしたり、神経が損傷してしびれや麻痺を起こしたりすることもあります。動脈などが傷つけられて大出血を起こした場合などは、速やかに救急車を呼びましょう。
一方、ヒビなどの軽度の骨折の場合は、骨折であることに気づかないこともあります。しかしそのまま放置してしまうと、骨がきちんと癒合せず変形したり機能障害が起こったりするケースもあります。打撲や捻挫、脱臼でも似た症状が現れることか多いため、X線検査などを受け、骨折の有無を確認し、適切な治療を受けることが大切です。
骨折の治療では、骨を基の位置に戻す整復を行います。牽引や徒手などで行いますが、痛みがある場合は麻酔をして行います。整復後はギプスや添え木によって固定し、安静にします。これにより多くは後遺症もなく治癒します。骨折の程度や状態によっては手術によって骨を整復し、場合によってはボルトなどで固定します。
脱臼
関節部分に強い外力がかかるなどして、骨が外れてしまった状態が脱臼です。肩の関節などに多くみられ、転倒して手をついたり、柔道やラグビーなどのスポーツで肩に衝撃を受けたりした場合に発症します。脱臼してしまうと本来の関節の動きができず、固まった状態になってしまいます。また脱臼の際に、関節を構成している靭帯や軟骨を同時に損傷してしまうことが多くみられます。
治療としては、外れた骨を元に戻す整復を行います。損傷した靭帯や軟骨が修復されるまで、しっかりと固定して安静を保つようにすることが大切です。損傷の程度によっては、手術による組織の縫合が必要になる場合もあります。
靭帯や軟骨が修復されないと、脱臼の再発が繰り返される場合があります。若い世代では反復性肩脱臼に移行しやすいと考えられています。また中高年では関節拘縮が起こりやすいとされています。脱臼は早期に適切な治療を行い、再発予防などのためのリハビリテーションを行うことが重要ですので、お早めにご受診ください。